ラベル 相関係数行列 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 相関係数行列 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2012/10/10

文系のための「重回帰分析のモデル」

重回帰分析の基本的な仕組みを理解したところで、
今度は、実際のデータを用いて重回帰モデルの検討方法を整理する。

今回のデータは、某国の某時代の某地域の古墳」のデータ。
実際のデータを少し加工し、詳細が特定できないようにマスキング
考古学的な解釈を避けるための処置。興味がある人は自分のデータで。

とりあえず、Google spreadsheet にデータを置いているので、
インターネット経由で直接データを読み込む。
この作業を行うためには、RCurlというライブラリを読み込む必要がある。

library(RCurl)

ライブラリを読み込めたら、以下のコマンドを実行する。

# Google Spreadsheet からデータをダウンロードする
data <- getURL("https://docs.google.com/spreadsheet/pub?key=0AtOtIs5BjRVhdDdyTmgtNm9DcEVJb3VLbnh3ZFlNb2c&single=true&gid=0&range=A1%3AH295&output=csv")

# ダウンロードしたデータを読み込む
X <- as.data.frame(read.table(textConnection(data), header=TRUE, row.names=1, sep=","))

このデータは、「294」の古墳が「対象」となっている。
属性は、墳長(length)後円径(bk_radius)後円高(bk_height)前方幅(fr_width)
前方長(fr_length)前方高(fr_height)くびれ(constricted)である。

なお、このデータの単位は、全て「メートル」であり、計測値は、10センチ単位まで。
扱うデータの単位を理解しておくことは基本中の基本なのであるが、
単位を無視して分析する人は少なくは無い。

ふむ。どこの国かは、特定できそうな変数であるが...まぁ、それは置いておく。
細かい詮索は無用。とにかく、これは架空のデータとして理解。
ちなみに、かつて、卒業論文研究のために集めたデータを改変したもの。

なお、後の処理のために、今回のデータはマトリクス型では無く、
データフレーム型というデータ型を指定しておく。

まずは、このデータの相関係数行列偏相関係数行列を確認しておく。
多次元データを扱う際には、最初にデータの全容を掴んでおくことが重要
やり方は、理解できているハズなので、出力結果のみを表示。

> round(cor(X),3)
            length bk_radius bk_height fr_width fr_length fr_height constricted
length       1.000     0.985     0.933    0.949     0.976     0.873       0.955
bk_radius    0.985     1.000     0.944    0.930     0.939     0.865       0.953
bk_height    0.933     0.944     1.000    0.882     0.887     0.896       0.900
fr_width     0.949     0.930     0.882    1.000     0.956     0.895       0.972
fr_length    0.976     0.939     0.887    0.956     1.000     0.866       0.950
fr_height    0.873     0.865     0.896    0.895     0.866     1.000       0.872
constricted  0.955     0.953     0.900    0.972     0.950     0.872       1.000

小数点以下の桁数が多すぎるので、小数点第三位までで丸め込み。
対象数が294の場合の相関の基準も考えておく。
たしか、相関係数のt検定というのがあった。

# 対象数を変数「n」に格納する。
n <- nrow(X)

# 有意水準1%、5%、10%の場合について検討する
abs(qt((0.01)/2, n-2)/sqrt(n-2+qt((0.01)/2, n-2)^2))
abs(qt((0.05)/2, n-2)/sqrt(n-2+qt((0.05)/2, n-2)^2))
abs(qt((0.10)/2, n-2)/sqrt(n-2+qt((0.10)/2, n-2)^2))

以下が実行結果。

> # 有意水準1%、5%、10%の場合について検討する
> abs(qt((0.01)/2, n-2)/sqrt(n-2+qt((0.01)/2, n-2)^2))
[1] 0.1500135
> abs(qt((0.05)/2, n-2)/sqrt(n-2+qt((0.05)/2, n-2)^2))
[1] 0.1144192
> abs(qt((0.10)/2, n-2)/sqrt(n-2+qt((0.10)/2, n-2)^2))
[1] 0.09611705

以上の結果から、有意水準1%で見ても、相関係数が「0.16」以上であれば、
相関があると行っても構わない。相関係数行列を見てみると、
どの値もこの水準よりも遥かに高い。したがって、全ての組合せには相関がある

この状態では見難いかもしれない。ついでに、散布図行列も出しておく。
# 「凝った」散布図行列を作るためにライブラリ「psych」を使う
library(psych)
pairs.panels(X, smooth=FALSE, density=FALSE, ellipses=FALSE, scale=TRUE)

なるほど。散布図行列を見てみても、なんらかの関係があるように見える。
ひょっとしたら、見せかけの相関が潜んでいるかもしれない。
ということで、次に、偏相関係数行列も計算しておく。

> library(corpcor)
> round(cor2pcor(cor(X)),3)
       [,1]   [,2]   [,3]   [,4]   [,5]   [,6]   [,7]
[1,]  1.000  0.835  0.113  0.131  0.816 -0.078 -0.298
[2,]  0.835  1.000  0.249 -0.124 -0.586 -0.045  0.444
[3,]  0.113  0.249  1.000 -0.200 -0.103  0.540  0.073
[4,]  0.131 -0.124 -0.200  1.000  0.129  0.415  0.654
[5,]  0.816 -0.586 -0.103  0.129  1.000  0.068  0.270
[6,] -0.078 -0.045  0.540  0.415  0.068  1.000 -0.134
[7,] -0.298  0.444  0.073  0.654  0.270 -0.134  1.000

Rの偏相関係数行列は、ライブラリ「corpcor」が必要であり、
cor2pcor()関数は、相関係数行列の結果を使って、
偏相関係数を計算するのであった。ラベルは、相関係数行列と同じ。

偏相関を見てみると、墳長と後円径墳長と前方長の関係が際立って高い。
さて、この偏相関係数の値は、後に重要となるのであるが、
今は、深く踏み込まず、実際に重回帰分析の方法を整理する。

さて、このデータを用いて重回帰モデルを立てるためには、
最初に目的変数を決めなければならないのであるが、
墳長(length) 目的変数とし、その他の変数との関係を調べてみる

最初にすべきことは、何であったか?そうそう、重回帰係数を求めること。
一応、前回の復習を兼ねて、重回帰モデルの基本形を見てみる。



元のデータのうち、一つの変数が目的変数となり、
切片を計算するために、先頭に「1」が並んだ列が入っている。
このような行列を連立方程式に見たてて解いてやると重回帰係数が出てくるはず。

連立方程式を解くためには、逆行列が必要となるが、
残念ながら逆行列は正方行列にしか使えない。どうれば良かったか?
たしか、擬逆行列を用いるのであった。

二つの方法を紹介したが、ここでは特異値分解を使う。
既に述べたようにn✕p行列とp✕n行列では解き方が異なる
そのような場合でも、特異値分解を用いれば擬逆行列が計算できる

重回帰分析を実行できるソフトによっては、変数の数が対象数よりも多い場合に、
デタラメな結果を表示することもあるらしい。注意が必要である。
擬逆行列重回帰分析の仕組みを知っていれば解ることであるが...。

いずれにせよ、対象数よりも変数の方が多いようなデータに対して、
いわゆる「多変量解析」を行うのは危険極まりないのである。
上記の意味が解らない人は、もう一度、擬逆行列の話を参照すること。

さてさて、特異値分解を用いた方法はどのような方法であったか?
これも、もう一度確認しておくことにする。



Rには、特異値分解を行うためのsvd()関数がある。
この関数を覚えておくと主成分分析など他の分析でも役立つ。

少々、話が逸れてしまったが、上記のことを確認した上で、
実際に、以下の手順で重回帰係数を求めてみる。

#  念の為に最初のデータの状態を保存しておく。
O <- X

# 目的変数を元の行列から分離する
y <- X[, 1]
X <- as.matrix(X[, -1])

# 切片の計算のために先頭行を「1」の行列を付け加える。
Intercept <- matrix(rep(1, nrow(X)), ncol=1)
X <- cbind(Intercept, X)

# 特異値分解を行う
X.svd <- svd(X)
X.svd.v <- X.svd$v
X.svd.d <- diag(X.svd$d)
X.svd.u <- X.svd$u

# 重回帰係数を求める

# 特異値分解を行う
X.svd <- svd(X)
X.svd.v <- X.svd$v
X.svd.d <- diag(X.svd$d)
X.svd.u <- X.svd$u

# 重回帰係数を求める
X.lm.coefficient <- ((X.svd.v %*% solve(X.svd.d)) %*% t(X.svd.u)) %*% y

# 解りやすいように名前を付ける。
rownames(X.lm.coefficient ) <- c("Intercept",colnames( X[,2:ncol(X)]))
colnames(X.lm.coefficient) <- "coefficients"

# 最後に結果を表示する
X.lm.coefficient

実行結果は以下の通り。

> # 最後に結果を表示する
> X.lm.coefficient
            coefficients
Intercept     1.31774995
bk_radius     1.05513862
bk_height     0.41494162
fr_width      0.09120632
fr_length     0.90234517
fr_height    -0.23795594
constricted  -0.33198797

これでめでたく重回帰係数が求まったはずだが...本当に計算できているのか?
Rにおける重回帰分析を行うための関数は、単回帰と同じ。
どのような関数であったか?頑張って思い出してみる。

# Rで重回帰分析を行なってみる。
lm(formula=length~bk_radius+bk_height+fr_width+fr_length+fr_height+constricted, data=O)

実は、単回帰の話で用いたlm()関数で良い。
すでに、Xのデータは、元のデータと変わってしまっているので、
ここでは、元のデータをコピーである行列「O」を用いている。

lm()関数では、少々、見慣れない形でデータが指定されている。
まず、パラメータ「formula」をモデル式と呼び、ここでモデルを定義し、
実際のデータをパラメータ「data」で指定する。

この場合は、「〜」を挟んで右側が目的変数であり、左側が説明変数となる。
今回は、全ての変数を使っているが、使う変数をここで決めることができる。
なお、全ての変数を使う場合には、次のようにも指定できる

lm(formula=length~., data=O)

もちろん、上記二つの結果は同じになる。
とにかく、実行結果は以下の通り。

> lm(formula=length~., data=O)

Call:
lm(formula = length ~ ., data = O)

Coefficients:
(Intercept)    bk_radius    bk_height     fr_width    fr_length    fr_height  
    1.31775      1.05514      0.41494      0.09121      0.90235     -0.23796  
constricted  
   -0.33199 

重要な部分は、「Coefficients: 」から後の部分。この部分に重回帰係数が並んでいる。
特異値分解を使って解いた場合と結果が同じことを確認できたはず。
重回帰分析の解法を理解できていれば、lm()関数を用いても問題ないだろう。

さて、ここで、重回帰係数の検討に入りたいところであるが、
その前に、もう少し、重回帰モデルそのものについて考えてみたい。

何度も述べているが「回帰」というのは変数間の関係を観察するための方法である。
では、変数間に「全く」関係が無い場合、一体どのようなことになるのか?
ここで、簡単な実験を行なってみる。
# 乱数使って変数間に関係の無いデータを作る
test <- matrix(c(runif(1000),runif(1000)), ncol=2)

# 回帰係数を求める
b0 <- lm(test[,2]~test[,1])$coefficient[1]
b1 <- lm(test[,2]~test[,1])$coefficient[2]

# データをプロットする。
rng <- c(0, 1)
plot(test[,1], test[,2], ylim=rng, xlab="x", ylab="y", pch=16, col="lightblue")
par(new=TRUE)
plot(test[,1], test[,1]*b1+b0, type="l", ylim=rng, xlab="", ylab="", xaxt="n", yaxt="n", col="blue")

# yの平均を表す水平線を引く
abline(h=mean(test[,2]), col="red", lty=2, ltw=2)

さて、この図を見て解るように、関係が無いということは、
傾きは限りなく「0」に近づき、切片のみが反映されていることが解る。

たしか、xの平均値のときにyの平均を通るように調整した際のyの値
切片であったので、結局は、平均によって説明することと同じなのである。
この状況は、lm()関数のモデル式でも表すことができる。

ここで、もう一度、古墳のデータに戻って確認してみる。

# まずは、行列「O」の「length」の平均値を計算する。
mean(O$length)

# 次に、lm()関数で変数を指定しない場合の係数を確認する。
lm(formula=length~1, data=O)$coefficient

以下がこの実行結果。

> # まずは、行列「O」の「length」の平均値を計算する。
> mean(O$length)
[1] 83.86105
>
> # 次に、lm()関数で変数を指定しない場合の係数を確認する。
> lm(formula=length~1, data=O)$coefficient
(Intercept)
   83.86105

つまり、他の変数との関係を除いてしまえば、平均によって説明することと同じ
また、作成した回帰モデルが本当に意味があるものであれば、
そのモデルは平均よりも妥当性が高い(説明力が高い)とも言える。

さて、ここからが、今回の話の「本題」である。
いやいや、ここまでの話は、少々長すぎた...かもしれない。

すなわち、重回帰モデルの検討の仕方。ここまでのことが理解できていれば簡単。
とりあえず、重回帰係数の絶対値の大きさと、その符号を観察する。



このモデルの中で、負の符号を取っているのは、前方高くびれ幅
したがって、前方高の値が「1メートル」増えると、墳長は「0.238メートル」減り
同様に、くびれ幅の値が「1メートル」増えると、墳長は「0.332メートル」減る

逆に、全長が増える場合を考えると、正の係数が最も大きいものが後円径であり、
この値が1メートル」増えると、墳長は「1.055メートル」増えることになる。
次に値が大きい前方長が「1メートル」増えると、「0.090メートル」墳長は増える

さて、このモデルでは、小数点第三位まで表しているのであるが、適切であろうか?
元のデータの単位がメートル単位であり、値は10センチ刻みであった。
したがって、ミリ単位というのは細かすぎる。本当は、小数点第二位までで十分。

たまに、コンピュータの出力をそのまま書き出している人がいるが、
計算結果の桁の下の方は、ほとんど計算誤差
意味のある桁数を理解しておく必要がある。

話が逸れたが、このようにして、ある変数とその他の変数の間の関係を、
それぞれの値の増減によって変化するかを観察するのが重回帰分析である。

ところで、この結果を見て、一種の「違和感」を感じた人もいるかもしれない。
規模の話なので、前方高くびれ幅が増えると、墳長が減って良いのか?
ここで、もう一度、偏相関係数の結果を見てみる。

> round(cor2pcor(cor(X)),3)
       [,1]   [,2]   [,3]   [,4]   [,5]   [,6]   [,7]
[1,]  1.000  0.835  0.113  0.131  0.816 -0.078 -0.298
[2,]  0.835  1.000  0.249 -0.124 -0.586 -0.045  0.444
[3,]  0.113  0.249  1.000 -0.200 -0.103  0.540  0.073
[4,]  0.131 -0.124 -0.200  1.000  0.129  0.415  0.654
[5,]  0.816 -0.586 -0.103  0.129  1.000  0.068  0.270
[6,] -0.078 -0.045  0.540  0.415  0.068  1.000 -0.134
[7,] -0.298  0.444  0.073  0.654  0.270 -0.134  1.000

実は、変数間の関係性で言うと、特に、前方径の値は限りなく「0」近い
ひょっとしたら、モデルに加えない方が良いかもしれない
あるいは、後円高前方幅いらないかもしれない。

また、くびれ部に関しては、全体の大きさに対して、
変化の度合いが鈍感で、そのような状況が影響しているかもしれない。
とにかく、何とも言えない状況がある。

では、どうするべきか?

この問題を考えるためには、重回帰係数の妥当性の検討や、
どの変数を選択すべきであるか、という変数選択が必要になる。
ということで、次回は、重回帰係数の妥当性から整理してみることにする。

2012/09/26

文系のための「多次元データの要約」(2)

分散共分散行列相関係数行列を用いることで、様々な定量的手法が可能となる。
実際の手法については「中級レベル」で解説するとして、要するに、
これら行列の意味を理解することは極めて重要である。

そもそも、この二つの行列は、どのようなものであったか?

たしか、分散共分散行列は、各変数の分散が対角成分に並び、
それ以外の成分には「共分散が入っているような「対称行列」であった。

一方、相関係数行列は、対角成分に「1」が並び、
それ以外の部分には「相関係数が入っているような行列であった。
相関係数行列は、変数間の関係を一目で確認できるので、色々と重宝するのだった。

ふむふむ。そのような話を確かにした。何か「問題」でもあるのか?

実は、2変数の相関係数の話では気づかなかったのであるが、
多変数の相関係数行列にしてみると、ある種の疑惑が生まれる。

本当に、二つの変数の関係「のみ」を表しているのか?
実は、他の変数の影響を受けているのではないか?
という疑惑である。

例えば、3つの変数、「」、「」、「」の3つの変数が存在した場合、
この3つの変数の相関係数行列は以下のようになるはず。



ふむ。何も不審な点は見当たらないように見えるが、
ひょっとすると、「」と「」の関係の中には、
」の影響が「潜在的」に存在するかもしれない。

2変数の間の相関係数の話では、意識する必要は無いが、
たしかに、多変数となる相関係数行列では、そういった懸念が生じる。
では、そのような別の変数の影響を取り除くにはどうすれば良いか?

この問題が、本日のメインテーマ。

とりあえず、いつものように、いつもの如く、チュートリアルデータを準備する。
今回のデータは、総務省統計局のデータ(e-stat)のデータを用いて、
チュートリアル用の「擬似」データを作成したもの。
今回のデータは、居住世帯の有無一ヶ月辺りの平均家賃の関係を見るためのデータ。
家賃のデータは、19階級に区分し家賃を集計したものであったので、
各階級の平均を一ヶ月の家賃とし、世帯数を掛けたもので都道府県別の平均家賃を算出。

かなり「大雑把な加工」をしているので、正式な分析には用いてはならない
あくまで、手法を学ぶための「擬似データ」であるので、
ここから実際の解釈を導いても、「深い意味」はない。

一応、注意事項を整理したところで、いつもどおりにデータを読み込む。

# Windows と Linux の人は次のコマンド
X <- read.table("clipboard", sep=",", header=TRUE)

# Mac の人は次のコマンド
X <- read.table(pipe("pbpaste") , sep=",", header=TRUE)

今回のチュートリアルのために用意したデータは以下の通り。

OCU,UNO,PRI
Hokkaido,2340300,390100,40687
Aomori-ken,493500,87400,111566
Iwate-ken,470700,78800,17002
Miyagi-ken,869700,144200,16084
Akita-ken,380300,57100,41254
Yamagata-ken,383000,49700,10523
Fukushima-ken,699700,108600,11879
Ibaraki-ken,1036200,187600,25207
Tochigi-ken,708700,131300,36003
Gumma-ken,725300,130400,27494
Saitama-ken,2688000,341100,22045
Chiba-ken,2344500,373100,94198
Tokyo-to,5939900,840500,60863
Kanagawa-ken,3612200,455600,246996
Niigata-ken,810700,119000,113336
Toyama-ken,368800,55500,24592
Ishikawa-ken,421600,76400,10485
Fukui-ken,259700,49000,15203
Yamanashi-ken,314600,83600,6005
Nagano-ken,758300,188000,10698
Gifu-ken,712600,123100,25608
Shizuoka-ken,1359400,238500,22521
Aichi-ken,2764400,368400,54336
Mie-ken,680900,110100,122595
Shiga-ken,491300,76300,17786
Kyoto-fu,1086800,183400,14849
Osaka-fu,3685100,660900,39764
Hyogo-ken,2169400,351300,150179
Nara-ken,502500,90100,68843
Wakayama-ken,382100,85700,12267
Tottori-ken,208600,38600,10868
Shimane-ken,249900,45900,6686
Okayama-ken,734700,131900,7459
Hiroshima-ken,1147600,208700,27600
Yamaguchi-ken,584100,107600,48448
Tokushima-ken,297000,58600,21579
Kagawa-ken,372700,73700,10305
Ehime-ken,574000,107100,12877
Kochi-ken,312800,64900,22953
Fukuoka-ken,2034000,340800,11205
Saga-ken,286100,36800,103313
Nagasaki-ken,539200,91900,9725
Kumamoto-ken,663800,105700,20633
Oita-ken,467200,79300,29546
Miyazaki-ken,443800,65900,22566
Kagoshima-ken,718200,133100,17694
Okinawa-ken,504400,62100,29919

このデータにおいて、
  • OCU居住世帯
  • UNO非居住世帯
  • PRI一ヶ月の平均家賃
まずは、分散共分散行列相関係数行列を出してみる。

cov(X)    # 分散共分散行列
cor(X)    # 相関係数行列

以下が、その結果。

> cov(X)    # 分散共分散行列
             OCU          UNO         PRI
OCU 1.297147e+12 185407240994 21146986138
UNO 1.854072e+11  27363809917  2614407571
PRI 2.114699e+10   2614407571  2151559501

> cor(X)    # 相関係数行列
          OCU       UNO       PRI
OCU 1.0000000 0.9841103 0.4002922
UNO 0.9841103 1.0000000 0.3407284
PRI 0.4002922 0.3407284 1.0000000

さて、相関係数行列を見てみると、
居住世帯数OCU)と非居住世帯数UNO)の相関が非常に高く
平均家賃PRI)と他の変数の関係は強く無さそうに見える。

相関の有無は、ひとまずは置いておいて、
平均家賃に注目してやると、居住世帯数が多いと賃料が高く
同様に、非居住世帯数が多くて「も」平均賃料が高くなる傾向がある。

うん?非居住世帯が多くなるほど、月の平均賃料が高くなるというのは、
直感的に合わないような気がする。
居住・非居住の世帯数の関係が影響しているかも。

問題は、2変数間の関係に、別の変数の影響が存在している可能性があること。
では、この「潜在的」な影響は、どのようにしたら見えてくるのか?

ここで、相関係数とは別の方法で2変数の関係を考えてみる。
別の方法とは、すなわち、単回帰と呼ばれる方法である。
何のことか解らない人は、もう一度、やり直し

たしか、単回帰は、2つの変数の関係について、
一方の変数で、もう一方の変数を「説明」するという考え方だった。
この方法を用いることで、他の変数の潜在的な影響を知ることができるかもしれない。

OCUで「説明できない部分」のPRIの値と、
OCUで「説明できない部分」のUNOの値との、
関係を比較」すれば良いのではないか?とにかくやってみる。

手を動かした方が解りやすいので、まずは、普通に回帰分析を行なってみる。
Rでは、単回帰を行うためのlm()関数があるので、今回は、この関数を使ってみる。

# 平均家賃を固定し、単回帰を行う
X.lm.3_1 <- lm(X[,3]~X[,1])    # PRIをOCUで説明する
X.lm.2_1 <- lm(X[,2]~X[,1])    # UNOをOCUで説明する

本当は、PRIとUNOを比較したいが、OCUの影響が気になる。
したがって、PRIUNOをそれぞれ「y軸」に固定し、OCUからの説明を考える。
# グラフを並べて描くためのオマジナイ
par(mfrow=c(1,2))

# PRIをy軸とし、OCUをx軸とした散布図
plot(X[,1], X[,3], xlab="OCU", ylab="PRI", ylim=c(0, max(X[,3])))

# 回帰直線を重ねて描く
par(new=TRUE)
plot(X[,1], X.lm.3_1$fitted.value, type="l", ylim=c(0, max(X[,3])), xaxt="n", yaxt="n", xlab="", ylab="")

# UNOをy軸とし、OCUをx軸とした散布図
plot(X[,1], X[,2], xlab="OCU", ylab="UNO", ylim=c(0, max(X[,2])))

# 回帰直線を重ねて描く
par(new=TRUE)
plot(X[,1], X.lm.2_1$fitted.value, type="l", ylim=c(0, max(X[,2])), xaxt="n", yaxt="n", xlab="", ylab="")

次に、各々の「残差の状況」を確認してみる。
# グラフを並べて描くためのオマジナイ
par(mfrow=c(1,2))

# PRIとOCUの残差の検討(標準化残差)
plot(X[,1], scale(X.lm.3_1$residuals), ylim=c(-4,4), xlab="OCU", ylab="PRI")
abline(h=0)
abline(h=c(-2,2), lty=2, col="grey")

# UNOとOCUの残差の検討(標準化残差)
plot(X[,1], scale(X.lm.2_1$residuals), ylim=c(-4,4), xlab="OCU", ylab="UNO")
abline(h=0)
abline(h=c(-2,2), lty=2, col="grey")

この図では、残差の状況を見やすくするために残差を標準化している。
これは「標準化残差」と呼ばれる。「±2」の線は、おおよその「外れ値」の基準線。
詳しい話は、正規分布の話で述べる。

さてさて、たしか、理屈上は、説明できない部分が「残差」と呼ばれるものだった。
つまり、OCUの影響を取り除くには、「残差同士の相関」を見れば良い。

# 残差同士の相関係数
cor(X.lm.3_1$residuals,X.lm.2_1$residuals)

以下は実行結果。

> # 残差同士の相関係数
> cor(X.lm.3_1$residuals,X.lm.2_1$residuals)
[1] -0.3269775

なるほど。OCUの影響を抜いた状況相関係数を見てみると、
月の平均賃料非居住世帯数の関係は、「負の関係」となった。
つまり、非世帯数が増加するほど、平均賃料は低くなる傾向がある。

この結果は、影響を抜かない相関係数よりも直感に即しているように思える。
すなわち、人が住んでいない住宅が多いということは、
需要に対する過剰供給が背後に存在し得るので賃料が低くなる

試しに、残差同士の関係を散布図で可視化すると以下のようになる。
# とりあえず、変数を定義し直す
pri.res <- X.lm.3_1$residuals
uno.res <- X.lm.2_1$residuals

# 残差同士の単回帰(偏回帰)
res.lm <- lm(uno.res ~ pri.res)

# 残差同士の関係を散布図で表す
plot(pri.res, uno.res, ylim=c(min(uno.res),max(uno.res)), xlab="", ylab="")

# 一応、回帰直線も追加
par(new=TRUE)
plot(pri.res, res.lm$fitted.value, type="l", xlab="", ylab="",  xaxt="n", yaxt="n",  ylim=c(min(uno.res),max(uno.res)), col="red")

# 最後に図を整える
pcor <-  round(cor(pri.res, uno.res),3)
plm <- round(res.lm$coefficient[2],3)
leg1 <- paste("Partial Correlation", pcor, sep=": ")
leg2 <- paste("Partial Regression Coefficient", plm, sep=": ")
legend("topright", legend=c(leg1, leg2))

title(xlab="Residuals for building rental price", ylab="Residuals for unoccupied buildings")
abline(h=0, v=0)

さて、このように、ある2つの変数の関係を観察するために、
別の変数の影響を取り除いた相関係数のことを、
偏相関係数(Partial Correlation)」と呼ぶ。

また、ここでは、残差同士の単回帰を行い、その回帰直線も描いているが、
残差同士の単回帰の係数のことを「偏回帰係数(Partial Regression Coefficients)」と呼ぶ。
ちなみに、残差同士の関係なので切片は「0」となる。

さて、今回は、単回帰の残差の関係から偏相関を導いたが、
一般的に、偏相関係数は元の相関係数から、以下のように計算できる。



なお、は、の影響を抜いた と との偏相関を意味し、
 はそれぞれ、元の相関係数を意味している。
」は、ギリシア文字で「ロー」と発音する。「ピー」では無い。

さて、要するに、知りたい2つの変数の相関係数から、
潜在的に影響しているかもしれない別の1つの変数の影響を取り除き
結果の値が、「±1」の間に収まるように分母の部分で基準化している。

今回のように、3変数の場合は、直感的に理解しやすいのであるが、
4変数以上になると計算が非常に厄介になってくる。行列を使えば、
式自体はコンパクトになるが...余裕の無い人は以下の式の話は飛ばしても良い。

まず、元の相関係数行列における、変数「i」と「jとの相関係数を「」 とし、
その相関係数行列の逆行列におけるi」と「j」の関係を 「」する。
ちなみに、逆行列の添字を右下ではなく「右上」に置く。ちょっと、注意。

このとき、4変数以上の偏相関係数行列は、次のように求める。



逆行列の対応する要素を、2つの対角要素の平方根で割って基準化し、
さらに、「符号を反転」させている逆行列を使った数学の魔法!!
この方法で、偏相関係数を計算することができるのである。

まぁ、実際には、手計算で偏相関係数を求める人は少ないであろう。

Rでは、この偏相関係数を簡単に計算できるため、通常はこれを用いるのであるが、
残念ながら、偏相関行列を計算してくれるパッケージは最初からは入っていないので、
「corpcor」パッケージをインストールする。

# corpcor パッケージのインストール
install.packages("corpcor", dep=TRUE)

上手くインストールできたら、実際に計算してみる。

# ライブラリを読み込む
library(corpcor)

# 偏相関係数行列を計算する。
X.pcor <- cor2pcor(cor(X))

# 変数名が付かないので付け直す。
rownames(X.pcor) <- rownames(cor(X))
colnames(X.pcor) <- colnames(cor(X))

以下が、この実行結果。

> X.pcor
          OCU        UNO        PRI
OCU 1.0000000  0.9839439  0.3892439
UNO 0.9839439  1.0000000 -0.3269775
PRI 0.3892439 -0.3269775  1.0000000

PRIUNOの関係を見てみると、確かに、残差同士の相関係数と一致している。

相関係数行列は、変数間の関係を観察する上で非常に重要であるが、
さらに、細かい状況を把握するためには、
偏相関係数行列で見た方が、状況が良く解る場合もある。

2012/09/09

文系のための「主成分の選択」

主成分分析の仕組みも理解できた。解釈の仕方も理解できた。
これで、基本的に主成分分析を使うことは出来る。

しかしながら、当初に問題として挙げておいて、まだ整理できていない問題がある。
すなわち、主成分を何番目まで採るべきか?という問題である。
これには、いくつかの方法が存在し、ここでは、4つの方法について整理する。

とりあえずは、これまでのデータを準備する。

library(RCurl)

# Google Spreadsheet からデータをダウンロードする
data <- getURL("https://docs.google.com/spreadsheet/pub?key=0AtOtIs5BjRVhdHo0c0pjb29OTU9aV3BmQUFJUWJQa0E&single=true&gid=0&range=A1%3AK48&output=csv", ssl.verifypeer = FALSE)

# ダウンロードしたデータを読み込む
X <- as.matrix(read.table(textConnection(data), header=TRUE, row.names=1, sep=","))

この結果を主成分分析にかけて、さらに、データの要約を確認する。

X.pca <- prcomp(X)
summary(X.pca)

二行に分かれてしまっているが、とにかく、以下が実行結果。

> X.pca <- prcomp(X)
> summary(X.pca)
Importance of components:
                           PC1     PC2    PC3     PC4     PC5     PC6     PC7
Standard deviation     17.6782 10.0382 8.0996 7.31714 5.32485 4.77568 3.88928
Proportion of Variance  0.5079  0.1638 0.1066 0.08701 0.04608 0.03707 0.02458
Cumulative Proportion   0.5079  0.6717 0.7783 0.86531 0.91139 0.94846 0.97304
                           PC8     PC9    PC10
Standard deviation     2.69582 2.46266 1.80463
Proportion of Variance 0.01181 0.00986 0.00529
Cumulative Proportion  0.98485 0.99471 1.00000

Standard deviation分散Propotion of Variance分散の割合
そして、Cummulative Proportion累積された分散の割合を示す。
特に、最後の累積された分散の割合のことを累積寄与率と呼ぶ。

さて、分散の割合がなぜ、重要であったかを思い出してみる。
たしか、主成分分析のしくみの話でも述べたこと。
つまり、元のデータの説明力を示しているのであった。

主成分の採用基準の1つめの方法というのは、この累積寄与率を見る方法である。
よく見かける方法は、「大体、7割程度の近似で良いのではないか?」というもの。

したがって、この場合には、第3主成分までを採用すると、
累積寄与率が、約78%となり、第3主成分まで判断すれば良いことになる。

しかしながら、この基準の場合、困ったことがある。
非常に、累積寄与率が7割付近で、微妙に推移する場合
その微妙な差で、採用と不採用を決めることができるか、という問題である。

では、二つ目の方法

今度は、スクリープロットというものを用いる。
# スクリープロットを描画する。
screeplot(X.pca, main="Screeplot for Variance")

スクリーとは、「」を意味し、急激な変化が起きている部分までを採用するという方法。
Rでは、screeplot()関数を用いる。それにしても、何とも、愛想の無いプロットである。

この場合は、第1と第2主成分の間第4と第5主成分の間に変化が見える。
したがって、第1主成分のみ、あるいは第4主成分までを採用するということになる。

ふむ。もっと、スッキリとした方法は存在しないのであろうか?
ということで、三つ目の方法

今度は、もう少し、明確な基準。カイゼル基準と呼ぶ。

この方法は、相関係数行列に対応する主成分分析を行い、
分散が「1」以上となるものを採用するというもの。

すでに述べたように、相関係数行列に対応する行列による主成分分析の場合、
主成分得点の分散の平均は「1」となった。

そもそも、標準化した行列による主成分分析であるので、
元の状態では、各変数における値の平均は「0」、分散は「1」である。そして、
主成分分析を行うと、変数間の関係から開放され、分散の合計が再配分される

ここで視点を変えてみると、分散が「1」よりも小さいということは、
元の状態よりも、少ない状況しか反映できていないことを示す
折角なので、先程のスクリープロットと合わせて表示してみる。
# とりあえず、標準化したデータによる主成分分析を行う
X.pca.scale <- prcomp(X, scale=TRUE)

# 一応、分析結果の要約も表示
summary(X.pca.scale)

# スクリープロットを描く
screeplot(X.pca.scale, main="Screeplot for Variance (with scaled data)")

# 分散が「1」となる基準線を弾く。
abline(h=1, lty=2)

要約の結果は以下の通り。

> # 一応、分析結果の要約も表示
> summary(X.pca.scale)
Importance of components:
                          PC1    PC2    PC3    PC4     PC5     PC6     PC7
Standard deviation     1.7355 1.2277 1.1613 1.0490 0.93393 0.79329 0.75419
Proportion of Variance 0.3012 0.1507 0.1348 0.1100 0.08722 0.06293 0.05688
Cumulative Proportion  0.3012 0.4519 0.5868 0.6968 0.78403 0.84696 0.90384
                           PC8     PC9    PC10
Standard deviation     0.68435 0.54333 0.44506
Proportion of Variance 0.04683 0.02952 0.01981
Cumulative Proportion  0.95067 0.98019 1.00000

第5主成分以下は、分散が「1」よりも低いので、第4主成分までが採用となる。
なるほど。この方法は、かなり良い。先程までの方法と比較しても客観的に見える。

では、この方法が最良と言えるかと言うと、ここにも問題がある。
主成分得点の分散は、後ろに行けば行くほど、値が小さくなるのは当たり前
なんとか、この部分の調整をしたい。

ということで、四番目の方法、「平行分析」。「原理上」は、これがベスト

この方法は、元のデータサイズと同じサイズ(対象と変数の数が同じ)の、
人工的な架空の値が入った行列を大量に準備し、そのデータから基準を作る方法。

一般的な方法は、人工的な架空の値には、標準正規乱数というのを用いる。
ここでは、標準正規乱数に関する詳しい話は省略するが、
要するに、誤差が平均「0」分散「1」となるような乱数を発生させる。

このようにして、元のデータと同じサイズの行列の成分を乱数で埋め尽くし
そのようにして作られた行列で、主成分得点の分散を求める

ここで、各々の成分は、乱数なので、主成分分析を1回だけ実行しただけだと、
誤差が影響してしまうので、それを1000回、10000回というように何回も実行する。

そうして、繰り返し計算で得られた主成分得点分散平均値中央値、あるいはIQRと、
本来の分析対象であるデータの主成分得点の分散を比較し、上側に来るものを採用する。
要するに、カイゼル基準の改良版といったところであろうか。

なんとも、複雑そうに見えるが、Rでは、この方法は簡単に実行できる。
とは言え、標準では入っていない。psych() ライブラリを読み込む。
library(psych)
fa.parallel(X)

そして、以下が実行結果。

> fa.parallel(X)
Loading required package: MASS
Parallel analysis suggests that the number of factors =  3  and the number of components =  1

psych()関数fa.parallel()関数を用いると、主成分分析の主成分の採用基準と、
同様に、因子分析因子数の採用基準が表示される。

この図において、✕印の折れ線が主成分分析の場合を示し、
△印の折れ線が因子分析の場合を示している。

赤色の点線は、標準正規乱数による基準の線で、
破線は、別の方法(元のデータの入れ替えの方法)による基準線を示している。

出力結果を見てみると、以下のように書いてある。

「平行分析は因子=3、および主成分=1を提案する」

平行分析は、因子分析にも対応しているため、両方の結果を提案してくれるのだが、
今回は、主成分分析なので主成分について観察する。

さて、今回の場合、結果として主成分は「1」であるとのお告げがあったのだが、
これは平均値を基準にしているので、多少の余裕(IQR程度)を見ても構わない。
そこで、平行分析プロットをもう一度観察してみる。

どうやら、第2主成分はごく僅かに基準線よりも下側に有り、
第3主成分は基準線よりも僅かに上側に来ている。
したがって、微妙ではあるが、第3主成分までは採れそうである。第4主成分以下は不可

さて、最後に重要なこととして、主成分の採用基準というのは、
あくまで、元のデータの説明力に意味があるという前提がある。
一方で、重要な情報が元の情報の多さと一致しているとは限らない

つまり、主成分の分散の大きさに目が行き過ぎるのも問題で、
実は、主成分の後ろの方に重要な意味が潜んでいる場合もある。

したがって、第1主成分第2主成分で上手く説明できない場合には、
寄与率が低くとも、様々な組み合わせを確認することも重要である。

2012/09/07

文系のための「主成分分析の可視化」(1)

前回までは、主成分分析の仕組みについて整理してきた。
主成分分析というのは、分散共分散行列相関係数行列と深い関係があって、
これらの見通しをより良くするために、ある種の変換を掛けるであった。

重要なことは、変数が多いと変数間の関係が複雑になりすぎるので、
変数間の関係を本質を変えずに取り除き対象間の関係のみに焦点を絞ること。

ところで、主成分分析を2〜3変数のデータに対して用いている例を見かけるが、
実は、少ない変数の場合は、分散共分散行列相関係数行列を見ても混乱しない。

したがって、散布図行列を観察するだけで十分に解釈できる場合が多い。
状況に合わせて、適切な方法を選択することが重要である。
重回帰分析偏相関係数を観察するという方法もある。

さて、少し話が逸れたが、本日は、主成分分析の解釈について整理する。
正確には、主成分得点主成分負荷量可視化し、
それらから適切な解釈を導く方法について整理する。

では、さっそく、前回までに用いたデータを用いて、実際の処理を始める。
今回もGoogle Spreadsheet にデータを置いてあるので、それを利用する。
なお、今回は、散布図行列を作成するステップは省略する。本当は必要。

library(RCurl)

データの詳細は、散布図行列の話にあるので、そちらを参照する。
ライブラリを無事に読み込めたら、次は、以下のコマンドを実行する。

# Google Spreadsheet からデータをダウンロードする
data <- getURL("https://docs.google.com/spreadsheet/pub?key=0AtOtIs5BjRVhdHo0c0pjb29OTU9aV3BmQUFJUWJQa0E&single=true&gid=0&range=A1%3AK48&output=csv")

# ダウンロードしたデータを読み込む
X <- as.matrix(read.table(textConnection(data), header=TRUE, row.names=1, sep=","))

主成分分析の結果を可視化する場合には、
バイプロットと呼ばれる方法を用いるのが一般的であり、
prcomp()関数の結果も、その方法で可視化する。

しかしながら、最初からバイプロットで可視化すると、
初学者の多くは、間違った解釈を行う危険性がある。
そこで、本日は、特異値分解から直接的に分析し、その結果の可視化を行う。

ところで、このチュートリアルで用いているデータは、
分散共分散行列相関係数行列のうち、どちらが適切であったか?

確か、単位が揃っていて、その単位における値の大小にも意味があったので、
分散共分散行列の方が適切であった。前回の話では、そのように解説した。
っということは、つまりは、偏差行列を準備する必要があった。

# 行列の引き算ができるように、平均値を総数個複製する。
M <- matrix(rep(m <- t(colMeans(X)), each=nrow(X)), nrow=nrow(X))

# 元の行列から、偏差行列を作成する。
A <- as.matrix(X-M)

次に、作成された偏差行列に対して特異値分解を行い、
主成分得点と主成分負荷量を計算する。

# 特異値分解を行う
A.svd <- svd(A)

# 主成分スコアと主成分負荷量を計算する
A.svd.score <- A.svd$u %*% diag(A.svd$d)
A.svd.loadings <- A.svd$v %*% diag(A.svd$d)

各主成分の説明力についての情報も欲しい。説明力は何に対応していたか?
確か、主成分得点の行列の分散の割合に相当していた。

# 割合を100分率で表し、さらに、小数点第二位で切り詰める。
A.svd.per <- round(diag((var(A.svd.score)/sum(diag(var(A.svd.score)))))*100,2)

割合なので、小数点以下をダラダラと書いても仕方がない。
小数点第二位〜第三位当たりで切る。この場合は、第二位までで十分。

では、さっそく、「第1主成分」における「主成分負荷量」を可視化してみる。
今は、量の大きさを可視化したいので、棒グラフを用いる。詳しくは、棒グラフの話

# 第一主成分というのは、主成分の第1次元ということ
dim <- 1

# 各変数の分散の割合の大きさを表すだけなので、とりあえず棒グラフで表現
barplot(as.vector(A.svd.loadings[,dim]), names=colnames(X))

# タイトルは必ず必要。タイトル文字を作成する。少々面倒。
pca.loadings.title <- paste("Factors of principal component in dimension", dim, sep="")
pca.loadings.title <- paste(pca.loadings.title , A.svd.per[1],sep="\n")
pca.loadings.title <- paste(pca.loadings.title , "%", sep="")

# タイトルをグラフに与える。
title(main=pca.loadings.title, ylab="variance")

まずは、主成分負荷量の見方から整理する。

この図では、第1主成分における主成分負荷量は、正と負の値を取っている
実は、主成分分析の正と負は計算方法に依存しソフトや関数によって逆転する

したがって、分散の大きさの差と、0を中心に二つの相反する性質を表す
正と負は関係無いので、正負に捕らわれずに判断することが重要。

この図の場合、第1主成分では、国際協力に関する活動医療や健康に関する活動
二つの変数に相当する主成分負荷量が両極にあって、国際協力に近い方から見ていくと、
障害者に関する活動高齢者に関する活動・・・という順番で並んでいる。

医療や健康に関する活動のみ」が反対側に向いていて、
しかも、出ている度合いがかなり小さいのが気になるが...とりあえず、次に進む。

こうした状況を観察してみると、第1主成分における二つの対極というのは、
一方がグローバルな活動を表し、もう一方がローカルな活動を表している「らしく」、
この状況は、元のデータの50.79%を説明していることが解る。

らしく」というのは、この状況だけでは、まだ、なんとも言えない。焦ってはいけない。
主成分得点に関しても同様の図を作成し、
意味については、両方を比較しながら再度検討する。


# 第一主成分というのは、主成分の第1次元ということ
dim <- 1

# 各変数の分散の割合の大きさを表すだけなので、とりあえず棒グラフで表現
barplot(as.vector(A.svd.score[,dim]), names=rownames(X), las=2)

# タイトルは必ず必要。タイトル文字を作成する。少々面倒。
pca.loadings.title <- paste("Scores of principal component in dimension", dim, sep="")
pca.loadings.title <- paste(pca.loadings.title , A.svd.per[dim],sep="\n")
pca.loadings.title <- paste(pca.loadings.title , "%", sep="")

# タイトルをグラフに与える。
title(main=pca.loadings.title, ylab="variance")

第1主成分における主成分得点は、第1主成分における主成分負荷量に対応している。
つまり、この図においては、「0」を中心に下側はグローバルな活動の強さを表し、
一方、上側はローカルな活動の強さを表している。

なお、「0」付近というのは、どちらにも寄らないことを意味するので、
比較的に平均」な対象が集まっている。

そうそう、具体的な数値もあった方が良い。

> A.svd.score[(order(A.svd.score[,1])),][,1]
      Oita       Aichi       Miyagi     Ibaraki    Ishikawa    Kanagawa
-84.3659879 -27.2237009 -17.5878902 -17.4725893 -15.6203251 -15.3652856
       Gifu        Nara   Fukushima     Saitama       Ehime       Hyogo
-14.7809511 -12.8015618 -11.9976794 -11.9089262  -9.1302220  -8.3305146
   Kumamoto       Kochi      Toyama    Tokyo-to       Akita     Niigata
 -7.8976958  -6.4295937  -5.7279074  -4.9173176  -4.1723528  -3.8796902
   Shizuoka     Okinawa       Shiga    Osaka-fu     Fukuoka   Tokushima
 -2.8219903  -1.7026102  -1.2568486  -0.8619497   0.3182618   2.6431475
     Nagano       Gumma    Hokkaido      Iwate        Chiba     Okayama
  2.6834044   2.8809400   3.6513143   4.1912833   4.8209478   5.4525580
     Kagawa     Tochigi   Kagoshima   Hiroshima        Saga        Mie
  6.0702498   9.7733572   9.8101319  13.1450657  13.4666745  13.5595689
  Yamanashi     Tottori    Wakayama    Miyazaki    Kyoto-fu   Yamaguchi
 13.8047619  14.2913455  14.4812483  15.6424106  15.8493474  15.8798751
   Nagasaki     Aomori      Shimane    Yamagata       Fukui
 18.3468538  19.7863922  21.2399576  21.3140915  23.1504013

まず、グローバルな活動の強さを見ると、大分県が圧倒的に強く現れており、
次いで、愛知県、宮城県、茨城県、石川県、神奈川県・・・と続く。

一方、ローカルな活動の強さを見ると、福井県が最も値が大きく、
山形県、島根県、青森県、長崎県、山口県・・・と続く。

全体的な印象として、グローバルな活動は、比較的人口が集中している地域が多く、
ローカルな活動は、過疎化などが問題になっている地域が多いように思える。

ここで、気になるのは、グローバルな活動が大分県で高いこと。
このように「なんで?」という疑問は良く生じる

そういった時に、元データを参照すると新しいことが見えてくる
常に、元データと分析結果を交互に行き来することが重要

> X
            HM  ELD   HC  CHR   SC   LI   SP  ENV  DIS    IC
Hokkaido  11.3 35.1 34.1 21.2 44.3 14.4 15.5 24.1  5.4  17.9
Aomori    15.2 21.0 22.4 13.3 55.2  7.9  8.4 19.9  8.3   8.0
Iwate      6.0 26.1 12.5 15.9 33.1 10.6 15.6 16.9 11.8  26.9
Miyagi    22.8 40.6 32.8 20.7 43.4 13.4 14.3 22.6 15.2  40.4
Akita      4.9 19.5 25.1 16.1 41.2  7.4  9.8 12.8 10.4  33.2
Yamagata   7.4 26.5 13.4 15.8 33.3  9.5 11.4 13.0  5.9   8.7
Fukushima 14.8 30.5 16.2 15.9 40.9 10.5 16.4 29.6 15.2  41.8
Ibaraki    7.9 29.6 38.6 21.4 63.1  9.5 29.6 26.9 10.2  38.5
Tochigi   16.2 36.2 24.3 20.4 51.2 12.1 14.5 24.9  4.7  14.5
Gumma     14.6 32.4 23.1 18.8 41.9  8.7 16.8 26.5  5.9  23.3
Saitama   10.3 36.3 21.8 18.3 34.5 15.0 24.7 28.9  8.5  38.3
Chiba     10.9 29.4 33.1 20.6 42.2 15.5 24.7 22.6  7.1  17.6
Tokyo-to  11.4 41.9 36.8 24.5 37.9 26.1 18.6 48.1  6.6  23.8
Kanagawa  11.9 31.4 26.0 24.6 44.7 16.0 23.7 42.2  5.4  40.7
Niigata   10.3 35.6 36.8 19.0 49.6  8.4 20.6 23.6  5.2  24.8
Toyama    16.8 25.1 28.3 15.6 37.8 11.5 16.5 19.2  9.0  32.7
Ishikawa   6.9 41.7 13.4 25.3 35.0 10.4 23.3 20.3  9.1  43.9
Fukui      7.5 29.3 12.1 17.4 44.2 10.2 15.1 19.6  4.4   5.8
Yamanashi 12.8 27.4 18.2 17.1 39.2  8.7 12.0 25.4  5.4  14.6
Nagano    12.4 24.9 31.8 16.6 29.9  9.3 14.1 18.5  4.9  22.9
Gifu      18.5 29.9 20.7 16.4 44.6  8.2 18.7 26.3  5.2  43.8
Shizuoka  10.6 32.7 18.5 17.8 50.8 11.1 12.8 21.1  5.4  30.9
Aichi      9.0 42.6 21.1 20.2 36.0 11.5 22.1 20.7  5.2  54.2
Mie       23.6 26.8 14.2 17.6 45.4 12.1 15.8 22.6  4.6  16.3
Shiga      9.5 28.0 15.8 22.3 40.9 10.1 13.3 20.7  4.6  31.1
Kyoto-fu  17.6 32.7 22.3 30.3 38.2 18.0 22.4 34.5  5.8   8.3
Osaka-fu  11.9 28.8 41.4 22.2 36.3 13.6 17.5 38.9  7.4  21.2
Hyogo      7.0 40.0 39.8 26.4 42.2 15.6 16.1 23.3  7.8  27.4
Nara      16.3 34.0 36.7 24.9 39.9 11.1 17.2 23.6  7.6  35.0
Wakayama   8.2 38.2 25.1 16.7 39.6 13.2 10.8 33.7  8.2   8.9
Tottori   12.6 31.6 18.3 15.9 41.9  9.2 12.7 23.7  5.1  13.2
Shimane   17.4 28.1 12.3 18.6 31.9  9.9 20.9 20.5  6.6   8.3
Okayama   17.9 39.6 26.9 23.0 32.7 11.9 12.7 27.5  4.6  18.2
Hiroshima 10.0 33.8 25.2 23.1 36.2 12.5 20.7 24.9  4.2  10.8
Yamaguchi 14.2 26.2 31.4 19.7 32.9 11.2 17.5 24.0  5.5   7.9
Tokushima 19.3 26.0 29.8 15.7 46.5  9.7 12.0 17.5  6.9  23.2
Kagawa    18.2 30.8 21.7 20.1 54.5 11.1 12.6 20.7  8.4  20.5
Ehime      9.0 44.3 26.2 18.7 37.5  8.0 13.4 22.5  7.3  33.1
Kochi     19.1 38.3 27.6 19.7 43.0 14.6 11.9 34.7  5.4  30.7
Fukuoka    9.6 29.7 30.5 27.9 44.0 14.4 18.6 24.0 13.3  22.8
Saga      18.9 31.5 27.8 20.7 52.2 10.2 20.0 17.4  5.2  10.2
Nagasaki  26.7 33.4 25.0 18.8 55.1 11.7 10.7 26.9  4.3   6.1
Kumamoto  21.5 38.1 56.9 17.3 30.4 12.5 13.2 20.0  4.2  23.5
Oita      13.4 44.5 58.9 23.8 47.7 12.8 14.5 21.2  6.7 102.6
Miyazaki  13.6 23.8 26.0 20.1 38.7 13.7 21.9 33.0  6.9   9.6
Kagoshima 21.2 26.6 22.2 14.1 40.3 11.1 10.7 18.7  4.7  18.4
Okinawa   21.7 39.9 26.4 22.4 46.6 22.4 20.7 46.0 10.6  24.3

なるほど、確かに、大分県では国際協力に関わるボランティア活動の割合が、
他の都道府県と比較して、群を抜いて高い。では、福井県はどうであるか?

うん?今度は、あまり、何かの値が突出しているようには見えない
ついでに、データのサマリと箱ヒゲ図も確認。
> boxplot(X, main="Average Days for Participation in Volunteer Activities", ylab="Average days in a year")

> summary(X)
       HM             ELD              HC             CHR    
 Min.   : 4.90   Min.   :19.50   Min.   :12.10   Min.   :13.30
 1st Qu.: 9.80   1st Qu.:27.70   1st Qu.:20.90   1st Qu.:16.90
 Median :12.80   Median :31.50   Median :25.20   Median :19.70
 Mean   :13.80   Mean   :32.35   Mean   :26.59   Mean   :19.85
 3rd Qu.:17.75   3rd Qu.:37.20   3rd Qu.:31.60   3rd Qu.:22.25
 Max.   :26.70   Max.   :44.50   Max.   :58.90   Max.   :30.30
       SC              LI              SP             ENV    
 Min.   :29.90   Min.   : 7.40   Min.   : 8.40   Min.   :12.80
 1st Qu.:36.90   1st Qu.: 9.80   1st Qu.:12.75   1st Qu.:20.40
 Median :41.20   Median :11.20   Median :15.80   Median :23.60
 Mean   :41.89   Mean   :12.05   Mean   :16.53   Mean   :24.98
 3rd Qu.:45.05   3rd Qu.:13.50   3rd Qu.:20.30   3rd Qu.:26.90
 Max.   :63.10   Max.   :26.10   Max.   :29.60   Max.   :48.10
      DIS               IC      
 Min.   : 4.200   Min.   :  5.80
 1st Qu.: 5.200   1st Qu.: 13.85
 Median : 5.900   Median : 23.20
 Mean   : 7.028   Mean   : 25.08
 3rd Qu.: 8.250   3rd Qu.: 32.90
 Max.   :15.200   Max.   :102.60

さて、当初はローカルな活動の強さを表していたのかと思ったが、
福井県のデータは、全体的に各値が低く、特に、国際協力に関する活動は著しく低い

この傾向は、福井県の次の山形県にも現れている。

したがって、ローカルというよりは「反」グローバル的とするか、
ボランティアに活動に対する総合的な取り組み度合いと見ても良かもしれない。

今度は、第2主成分に関しても同じことをしてみる。
今回は、二つの図を並べて同時に出力する。


#並べて描くためのオマジナイ。
par(mfrow=c(1,2))

# 今度は次元が2になる。
dim <- 2

# 一つ目の図には、主成分負荷量の図
# 各変数の分散の割合の大きさを表すだけなので、とりあえず棒グラフで表現
barplot(as.vector(A.svd.loadings[,dim]), names=colnames(X))

# タイトルは必ず必要。タイトル文字を作成する。少々面倒。
pca.loadings.title <- paste("Factors of principal component in dimension", dim, sep=" ")
pca.loadings.title <- paste(pca.loadings.title , A.svd.per[dim],sep="\n")
pca.loadings.title <- paste(pca.loadings.title , "%", sep="")

# タイトルをグラフに与える。
title(main=pca.loadings.title, ylab="variance")

# 次は、主成分得点の可視化
# 各変数の分散の割合の大きさを表すだけなので、とりあえず棒グラフで表現
barplot(as.vector(A.svd.score[,dim]), names=rownames(X), las=2)

# タイトルは必ず必要。タイトル文字を作成する。少々面倒。
pca.loadings.title <- paste("Scores of principal component in dimension", dim, sep=" ")
pca.loadings.title <- paste(pca.loadings.title , A.svd.per[dim],sep="\n")
pca.loadings.title <- paste(pca.loadings.title , "%", sep="")

# タイトルをグラフに与える。
title(main=pca.loadings.title, ylab="variance")

実際の値も表示する。これは、結果のみ。

> A.svd.score[(order(A.svd.score[,2])),][,2]
    Tokyo-to     Kumamoto     Osaka-fu      Okinawa     Kyoto-fu        Hyogo 
-25.48330834 -19.54068817 -17.89270947 -17.53265633 -11.60217588 -10.09716695 
    Wakayama     Hokkaido     Nagasaki     Miyazaki        Kochi      Niigata 
 -7.99181874  -7.95731799  -7.78153288  -7.29715992  -6.45035170  -6.32440501 
       Chiba     Kanagawa    Yamaguchi      Okayama      Ibaraki         Nara 
 -6.11855778  -6.08651180  -6.01139834  -5.64678869  -5.49745999  -4.43666871 
   Hiroshima      Fukuoka      Tochigi         Saga       Miyagi        Oita  
 -4.06168230  -3.71780644  -3.37521039  -2.60332055  -1.57447800   0.03078564 
       Gumma       Nagano    Tokushima        Ehime       Kagawa      Saitama 
  1.82577203   3.22769906   3.37501834   3.66652229   3.79919709   3.97604392 
     Tottori      Aomori     Yamanashi    Kagoshima       Toyama         Mie  
  4.70810331   5.05798505   5.39623139   6.31970748   6.62959774   6.96469789 
     Shimane        Fukui         Gifu     Shizuoka    Fukushima       Aichi  
  8.14448030   9.14451299   9.99399234  10.06750081  11.39446940  12.86385463 
       Shiga     Yamagata     Ishikawa        Akita       Iwate  
 13.29618683  14.73308634  15.04994751  16.76995612  18.64582591 

第2主成分は、元情報の16.38%の情報を持っている。
主成分負荷量を見ると、障害者に関する活動国際協力に関する活動が対立している。
全体的に見てみると、恒常的な状況特殊な状況に分かれているように見える。

一方、主成分得点を見てみると、下側に最も値が高いのが東京都で、
熊本県、大阪府、沖縄県、京都府・・・と続く。
逆に、上側に最も値が高いのは、岩手県で、秋田県、石川県、山形県・・・と続く。

それぞれの上位を見てみると、下側には西日本が多く含まれていて、
上側には東日本が多く含まれているようにも見える。
文化の違いだろうか?それとも、人口密度の問題だろうか?

研究として踏み込むのであれば、より詳細な検討を必要とする
元データがどのようにして得られたのか、あるいは、外国人の居住人口の割合、
高齢者や障害者の人口比率、犯罪件数、環境汚染といった他の情報も必要とする。
少なくとも、今回のデータでは、これ以上の解釈はできない。

これは、主成分分析に限ったことでは無いが、データの背景を知ることは極めて重要
また、ある分析から導かれるのが解釈ではなく、新しい疑問であることも多い。

分析結果を安易に鵜呑みにしたり、
強引に分析結果を結びつけることも厳禁!
こういった状況を目にすることは多い。

さて、話が逸れたが、主成分分析の結果を可視化するために、
棒グラフを用いて説明してきたが、これは、各主成分を1次元ごとに観察するため。
次は、二つの次元を同時に可視化する方法を行うが1次元毎に解釈するのは同じ

では、第1主成分第2主成分主成分負荷量を同時に表現してみる。
# 第1主成分と第2主成分の次元を設定する
dim1 <- 1
dim2 <- 2

# 第1主成分と第2主成分の主成分負荷量をベクトルに入れる
x <- A.svd.loadings[,dim1]
y <- A.svd.loadings[,dim2]

# x軸の軸ラベル
label_x <- ""
label_x <- paste("Dim.", dim1)
label_x <- paste(label_x, "(")
label_x <- paste(label_x, A.svd.per[dim1], sep="")
label_x <- paste(label_x, "%)")

# y軸の軸ラベル
label_y <- ""
label_y <- paste("Dim.", dim2)
label_y <- paste(label_y, "(")
label_y <- paste(label_y, A.svd.per[dim2], sep="")
label_y <- paste(label_y, "%)")

# まずは、プロット領域を作成し、ラベルを配置する
plot(x, y, xlab=label_x, ylab=label_y, type="n", main="Loadings of principal component")
text(x, y, colnames(X), cex=0.8)

# 原点0からの方向を矢印で表現する
arrows(x0=0, y0=0, x1=x, y1=y, length=0.1, col="red")

# 最後に、原点軸を入れて整形する
abline(h=0, v=0, lty=2, col="lightgrey")

主成分負荷量の見方は、棒グラフで見た方法と同じ。要するに、一次元で観察する
主成分負荷量というのは、あくまで、各次元における主成分の方向の強さなので、
幾何的なベクトルとして考えて矢印で表現する。

今度は、主成分得点の図も出してみる。
# 第1主成分と第2主成分の次元を設定する
dim1 <- 1
dim2 <- 2

# 第1主成分と第2主成分の主成分負荷量をベクトルに入れる
x <- A.svd.loadings[,dim1]
y <- A.svd.loadings[,dim2]

# x軸の軸ラベル
label_x <- ""
label_x <- paste("Dim.", dim1)
label_x <- paste(label_x, "(")
label_x <- paste(label_x, A.svd.per[dim1], sep="")
label_x <- paste(label_x, "%)")

# y軸の軸ラベル
label_y <- ""
label_y <- paste("Dim.", dim2)
label_y <- paste(label_y, "(")
label_y <- paste(label_y, A.svd.per[dim2], sep="")
label_y <- paste(label_y, "%)")

# まずは、プロット領域を作成し、ラベルを配置する
plot(x, y, xlab=label_x, ylab=label_y, type="n", main="Loadings of principal component")
text(x, y, colnames(X), cex=0.8)

# 原点0からの方向を矢印で表現する
arrows(x0=0, y0=0, x1=x, y1=y, length=0.1, col="red")

# 最後に、原点軸を入れて整形する
abline(h=0, v=0, lty=2, col="lightgrey")

# 第1主成分と第2主成分の主成分負荷量をベクトルに入れる
x <- A.svd.score[,dim1]
y <- A.svd.score[,dim2]

# x軸の軸ラベル
label_x <- ""
label_x <- paste("Dim.", dim1)
label_x <- paste(label_x, "(")
label_x <- paste(label_x, A.svd.per[dim1], sep="")
label_x <- paste(label_x, "%)")

# y軸の軸ラベル
label_y <- ""
label_y <- paste("Dim.", dim2)
label_y <- paste(label_y, "(")
label_y <- paste(label_y, A.svd.per[dim2], sep="")
label_y <- paste(label_y, "%)")
# まずは、プロット領域を作成し、ラベルを配置する
plot(x, y, xlab=label_x, ylab=label_y, type="n", main="Scores of principal component")
text(x+1, y+1, rownames(X), cex=0.8)

# 原点0からの方向を矢印で表現する
points(x, y, pch=16, col="blue")

# 最後に、原点軸を入れて整形する
abline(h=0, v=0, lty=2, col="lightgrey")

主成分得点は、散布図の「ように」可視化する。あくまで「ように」。
重要なことは、主成分負荷量と同様に、各次元ごとに1次元で解釈すること。

さて、ここでは第1主成分第2主成分における主成分得点同時に布置している。
したがって、比較的近い所に布置されている物同士は、
この二つの主成分のみにおいて似た性質を持っていると言える。

また、「0」付近に布置されるもの(今回は存在しない)は、
可視化された二つの軸において、平均「的」な性質を持っていることを意味する。

さて、最後に、相関係数行列に対応した場合でのプロットも作成してみる。
今回の場合、分散共産分散行列に対応した方法が良いのであるが練習だけ。
# 特異値分解を行う
A.svd <- svd(scale(X))

# 主成分スコアと主成分負荷量を計算する
A.svd.score <- A.svd$u %*% diag(A.svd$d)
A.svd.loadings <- (A.svd$v %*% diag(A.svd$d))/sqrt(nrow(X)-1)

# 二つのプロットを並べて描くためのオマジナイ
par(mfrow=c(1,2))

# 第1主成分と第2主成分の次元を設定する
dim1 <- 1
dim2 <- 2

# x軸の軸ラベル
label_x <- ""
label_x <- paste("Dim.", dim1)
label_x <- paste(label_x, "(")
label_x <- paste(label_x, A.svd.per[dim1], sep="")
label_x <- paste(label_x, "%)")

# y軸の軸ラベル
label_y <- ""
label_y <- paste("Dim.", dim2)
label_y <- paste(label_y, "(")
label_y <- paste(label_y, A.svd.per[dim2], sep="")
label_y <- paste(label_y, "%)")

# 主成分負荷量のプロット
# 第1主成分と第2主成分の主成分負荷量をベクトルに入れる
x <- A.svd.loadings[,dim1]
y <- A.svd.loadings[,dim2]

# まずは、プロット領域を作成し、ラベルを配置する
plot(x, y, xlab=label_x, ylab=label_y, type="n", main="Loadings of principal component", xlim=c(-1,1),ylim=c(-1,1),asp=1)
text(x, y, colnames(X), cex=0.8)

# 中心に円を描く
x.circle <- seq(-1, 1, by = 0.01)
y.circle <- sqrt(1 - x.circle^2)
lines(x.circle, y = y.circle)
lines(x.circle, y = -y.circle)

# 原点0からの方向を矢印で表現する
arrows(x0=0, y0=0, x1=x, y1=y, length=0.1, col="red")

# 最後に、原点軸を入れて整形する
abline(h=0, v=0, lty=2, col="lightgrey")

# 主成分得点のプロット
# 第1主成分と第2主成分の主成分負荷量をベクトルに入れる
x <- A.svd.score[,dim1]
y <- A.svd.score[,dim2]

# まずは、プロット領域を作成し、ラベルを配置する
plot(x, y, xlab=label_x, ylab=label_y, type="n", main="Scores of principal component")
text(x+0.1, y+0.1, rownames(X), cex=0.8)

# 原点0からの方向を矢印で表現する
points(x, y, pch=16, col="blue")

# 最後に、原点軸を入れて整形する
abline(h=0, v=0, lty=2, col="lightgrey")

相関係数行列に対応する主成分分析を行う場合、
主成分負荷量は、sqrt(n-1) で基準化する必要がある。

そして、これを可視化する場合には、分散が1であることを示すために半径1の円を描く。
別の言い方をすると、主成分負荷量のプロットの中心に円が描かれている場合には、
その分析結果が相関係数行列に対応していることが解るのである。

さて、今回は第1主成分第2主成分のみの可視化を行った。
これは、元のデータの67.17%を再現している。
これが十分であるかは、もう少し議論がある。

基本的には、この値が高いほど元のデータに近づくのであるが、
必ずしも、値が高ければ良いとも言えない。

というのは、第1主成分に特定の変数の値が強く反映され、
他の状況が上手く読み取れない場合が存在する
そのような場合、第1主成分を除いて、第2主成分以下で分析することがある

また、ある特殊な状況においては、第1主成分第2主成分主成分得点のプロットが、
「U」の字に布置されることがあって(馬蹄形問題、そのような場合には、
第1主成分と第3主成分で観察し直す必要がある。この話はいずれ。

今回は、主成分負荷量主成分得点を可視化する方法を実践し、
さらに、その結果を横に並べて表示した。
実は、この二つの図を重ね合わせる可視化方法があって、
その方法のことをバイプロットと呼ぶ。

次回は、そのバイプロットについて整理する。