2018/05/29

文系のための「Google Earth Engineの利用条件」

Google EarthGoogle Earth Engine(GEE)は全く別のものと考えた方が良い。
多くの人が使っているGoogle Earthデジタル地球儀であり、
GEE科学分析ツールである。

では、GEEはどのようなツールなのか?
どようなことができるのか?
研究で使うことができるのか?

GEEクラウドベースのリモートセンシングツールである。
解析に使用するデータはGoogleの巨大ストレージに準備されていて、
プログラミングによって解析し、可視化し、公開することができる。

非常に多くのデータがあるようなので私も把握できていないが、
比較的ポピュラーな入門者向けのデータは抑えられている。
代表的なデータは以下の通り…。
  • Landsat
  • Sentinel
  • MODIS
  • SRTM
  • ALOS
なんと、国産の人工衛星「ALOS(だいち)」のデータも利用できる。

もちろん、これ以外にも土地被覆や気候、気象、人口など、
加工済みのデータも公開されている。
具体的な利用例は以下のサイトで紹介されている。

https://earthengine.google.com/case_studies/

GEEは開発、評価、研究、教育で使用することができるが、
商業利用の場合は評価段階での利用を除いて、継続利用はできない
また、解析等によって得られたデータの販売も許可されていない。

商業目的の利用の場合には商業ライセンスもあるらしいが、
そのあたりの話はこのブログでは無関係なので省略。
研究者、学生、NPO、公的機関が使えるのであれば問題ない。

Google関連のツールを使用する際の懸念事項として利用時の制限事項があるが、
GEEで得られた画像はどのようなツールでも利用できる
たとえば、QGISやArcGISで表示して利用しても問題ない。

GEEはプログラミングを通して操作するため、
自分で書いたスクリプトや解析結果の所有権も気になるが、
これに関しても問題ない。プログラムを書いた人の権利が保障されている

ちなみに、GEEを使って論文等を発表する際には、
GEE引用する必要が出てくる場合もある。
その場合には以下のようにする。

Gorelick, N., Hancher, M., Dixon, M., Ilyushchenko, S., Thau, D., & Moore, R. (2017). Google Earth Engine: Planetary-scale geospatial analysis for everyone. Remote Sensing of Environment.

Bibtex:
  @article{gorelick2017google,
    title={Google Earth Engine: Planetary-scale geospatial analysis for everyone},
    author={Gorelick, Noel and Hancher, Matt and Dixon, Mike and Ilyushchenko, Simon and Thau, David and Moore, Rebecca},
    journal={Remote Sensing of Environment},
    year={2017},
    publisher={Elsevier},
    doi={10.1016/j.rse.2017.06.031},
    url={https://doi.org/10.1016/j.rse.2017.06.031}
  }


0 件のコメント:

コメントを投稿