2018/06/05

文系のための「シェープ・ファイルのインポート」

地理空間情報システム(GIS: Geospatial Information System)を使っている人にとって、
最も馴染み深いベクトルデータの形式はシェープファイルであろう。
このファイル形式はESRI社が開発したデファクト・スタンダードでもある。

これまでにはGoogle Earth Engine(GEE)幾何オブジェクト(Geometry)について、
Javascriptを使って作成する方法と、ジオメトリー・ツールを使う方法を紹介した。
しかし、場合によってはシェープファイルを使いたいという要望もあるかもしれない。

GEEは、勿論、そのような要望にも応えてくれている。
シェープファイルとして作成されたベクトル形式のデータだけでなく、
ラスター形式のデータをアップロードして使うことができる。

ということで、本日はシェープファイルのアップロードについて整理する。

GEECode Editor上段左側(コードエリアの左側)を見てみると、
スクリプト(Scripts)ドキュメント(Docs)アセット(Assets)のエリアがあり、
まずは、このエリアのタブのうち、右端の「アセット(Assets)」を選択する

選択すると「アセット・マネージャー(Assets Manager)」が開く。
ちなみに、「アセット」とは日本語で「資産」という意味である。
つまり、自分のデータを保持するための領域である。

アセットにシェープファイルを加える場合は「テーブル」としてアップロードする。
New」と書かれたボタンをクリックし、「Table Upload」を選択する。
あとは、任意のシェープファイルをアップロードするだけである。



個人的な経験からシェープファイルをアップロードする際には注意事項がある。
まずは、ファイルについて。シェープファイルは複数のファイルから成る。
したがって、少なくともSHP、DBF、SHXの三つのファイルを同時に選択する。

ふたつ目の注意事項は座標系の問題。PRJファイルを解析する機能はあるようだが、
あらかじめ、WGS-84に統一しておくことが無難である。
何らかの理由でアップロードに失敗することがある。

三つ目の注意事項は文字エンコーディングの問題。
これも可能であれば事前にUTF-8に変換しておいた方がよい
この作業に関してはQGISを使った方が楽かもしれない。

これらの問題は解決されているかもしれないが…注意した方が無難である。
シェープファイルのインポートについては色々と不安定なところも多い。
上記のことに注意してもうまくいかないこともある。この辺りは不明な点が多い。



さて、以上のことを抑えた上で「OK」ボタンを押すと、アップロードが開始される。

アップロードされると、「取り込み(Ingest)」とよばれるタスクが実行される
その状況はCode Editor上段右側の「タスク(Tasks)」をクリックし、
タスク・マネージャー(Tasks Manager)」を開くと確認することができる。



この取り込み作業にはかなりの時間がかかる。軽くても、5〜10分以上の時間がかかる。
ちなみに、タスクが実行されれば、ログアウトしても問題ないし、電源を切っても良い
一度、クラウド上にアップロードされれば、寝ている間に仕事をしてくれる。

さて、無事にアセットに追加されれば、今度はCode Editorインポート(import)する。
再び、「アセット・マネージャー」を開いて、取り込まれたファイルを選択し、
インポート(import)のボタンをクリックする。



なお、インポートしたデータをマップに追加し、中心に表示させる方法は以下の通り。

Map.addLayer(table,{color:"green"});
Map.centerObject(table,14);

以下は実際に表示した例。



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