最も馴染み深いベクトルデータの形式はシェープファイルであろう。
このファイル形式はESRI社が開発したデファクト・スタンダードでもある。
これまでにはGoogle Earth Engine(GEE)の幾何オブジェクト(Geometry)について、
Javascriptを使って作成する方法と、ジオメトリー・ツールを使う方法を紹介した。
しかし、場合によってはシェープファイルを使いたいという要望もあるかもしれない。
GEEは、勿論、そのような要望にも応えてくれている。
シェープファイルとして作成されたベクトル形式のデータだけでなく、
ラスター形式のデータをアップロードして使うことができる。
ということで、本日はシェープファイルのアップロードについて整理する。
GEEのCode Editor の上段左側(コードエリアの左側)を見てみると、
スクリプト(Scripts)、ドキュメント(Docs)、アセット(Assets)のエリアがあり、
まずは、このエリアのタブのうち、右端の「アセット(Assets)」を選択する。
選択すると「アセット・マネージャー(Assets Manager)」が開く。
ちなみに、「アセット」とは日本語で「資産」という意味である。
つまり、自分のデータを保持するための領域である。
アセットにシェープファイルを加える場合は「テーブル」としてアップロードする。
「New」と書かれたボタンをクリックし、「Table Upload」を選択する。
あとは、任意のシェープファイルをアップロードするだけである。
個人的な経験からシェープファイルをアップロードする際には注意事項がある。
まずは、ファイルについて。シェープファイルは複数のファイルから成る。
したがって、少なくともSHP、DBF、SHXの三つのファイルを同時に選択する。
ふたつ目の注意事項は座標系の問題。PRJファイルを解析する機能はあるようだが、
あらかじめ、WGS-84に統一しておくことが無難である。
何らかの理由でアップロードに失敗することがある。
三つ目の注意事項は文字エンコーディングの問題。
これも可能であれば事前にUTF-8に変換しておいた方がよい。
この作業に関してはQGISを使った方が楽かもしれない。
これらの問題は解決されているかもしれないが…注意した方が無難である。
シェープファイルのインポートについては色々と不安定なところも多い。
上記のことに注意してもうまくいかないこともある。この辺りは不明な点が多い。
さて、以上のことを抑えた上で「OK」ボタンを押すと、アップロードが開始される。
アップロードされると、「取り込み(Ingest)」とよばれるタスクが実行される
その状況はCode Editorの上段右側の「タスク(Tasks)」をクリックし、
「タスク・マネージャー(Tasks Manager)」を開くと確認することができる。
この取り込み作業にはかなりの時間がかかる。軽くても、5〜10分以上の時間がかかる。
ちなみに、タスクが実行されれば、ログアウトしても問題ないし、電源を切っても良い。
一度、クラウド上にアップロードされれば、寝ている間に仕事をしてくれる。
さて、無事にアセットに追加されれば、今度はCode Editorにインポート(import)する。
再び、「アセット・マネージャー」を開いて、取り込まれたファイルを選択し、
インポート(import)のボタンをクリックする。
なお、インポートしたデータをマップに追加し、中心に表示させる方法は以下の通り。
Map.addLayer(table,{color:"green"});
Map.centerObject(table,14);
Map.centerObject(table,14);
以下は実際に表示した例。
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